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「電材資材の値上げ問題―インフレ時代を乗り切るための設備更新術とは」

■電材資材の価格上昇が止まらない現状

近年、設備・電材資材の価格上昇が止まりません。

特に、工場・ビル等で使われる配線器具・電設盤・電線・配管材などについて、メーカー・建設資材統計から具体的な数値データが出ています。

主な原因としては以下が挙げられます。

・世界的な原材料及び原油等エネルギーの品不足や価格高騰

・円安の影響を受けたこと

・半導体ショック、アイアンショック、樹脂不足など、需要に対しての供給量制約

・建設業界を中心とした人手不足の長期化

これらが価格上昇の原因であることは間違いないでしょう。

■建設工事コスト全体の上昇傾向

建設工事の資材価格という大枠で考えてみましょう。

材料費割合を50~60%、労務費率30%の仮定条件で比較すると、この5年間(56か月)で、建設資材の高騰・労務費の上昇の影響により、仮設費・経費などを含めた全建設コスト(平均)は25~29%上昇していた事をご存じですか?

そして当社の手がける工事は電気設備工事ですが、電気工事の労務費を例にとると、近年の慢性的な人手不足のあおりも受け、2021年と比較すると27.8%も上昇しています。

(一般社団法人 日本建設業連合会資料より)

■電材価格の上昇実態

電材の値上げ率を見てみましょう。

例えば、建設物価調査会が公表する「建設資材物価指数」によれば、電線・光ファイバーケーブルを含む「非鉄金属」分類などの資材価格が長期に渡って上昇しています。また、メーカー側の発表を見ても、値上げ改定が明らかになっています。

たとえばある大手照明メーカーは2025年9月に以下を発表しています。

・配線器具(住宅工事用)を平均約20%値上げ

・床用コンセント/住宅情報用配線器具を約25%値上げ

・2024年末には配管機材・電設盤・配線器具も平均 約7~30%程度の値上げがあった

従って、ユーザー側としては「5%から30%以上」あるいは特定用途で「それ以上」の上昇が実際に起きており、見逃せない状況です。

■設備管理者・発注者が今取るべき3つの行動

① コスト上昇の見える化

値上げの通知が出ている商品群をまず整理し、次の設備更新や改修工事の見積りには改定後の価格を織り込むこと。例えば、「配線器具・電設盤・配管機材」が対象です。旧価格のままの見積りでは、実際に発注時にコスト増となる可能性があります。また、これらは納入の遅れも生じがちな電材です。

材料・機器仕様の見直しや代替検討

値上げ幅が大きい部材については、仕様を再検討して「高コスト品を避ける」「まとめ発注して価格交渉余地を確保する」「代替材や共通部材の使用を検討する」などが有効です。特に長期運用する設備では、将来の保守・材料交換コストも含めたトータルコストでの判断が鍵です。

在庫・発注タイミングの最適化

値上げ前の在庫確保が可能であれば期限を検討する価値があります。

価格高騰が続くなかで、「いつ・どのタイミングで調達するか」がコストに大きく影響します。

■値上げは“コスト削減のチャンス”にもなる

以上のように、電材資材の値上げは設備コストに直結する重大なテーマです。

価格高騰は避けられない現実ですが、設備管理者・発注者としては「知っているか」「動いているか」で数%〜数十%のコスト差が生まれます。今まさに、次の更新・改修の機会を“見直しの好機”として捉え、値上げを機に省コスト・効率化へ踏み出しましょう。

電材資材の値上げは、設備コストに直結する重大テーマです。
設備の更新・改修計画をお持ちの方は、ぜひ一度、ジェルシステムへご相談ください。

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